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仮想現実で人を殺す、殺されるということ。VRヘッドセットが孕む人体へのストレスと危険性

2016年、VRヘッドセットの時代が幕を開ける

最近巷で話題になり続けるVirtual Reality Headset、VRヘッドセット。デカいゴーグルみたいなものを着用すれば視界がゴーグル内部に映し出される映像で”置き換えられる”。そういっても過言ではないほどリアリティが向上してきており、その特徴を利用した様々な試みが行われています。

 ゲームやパイロット研修、医療現場など様々な用途が想定される他、音や香水の匂いまでコントロールしてグラビアアイドル・篠崎愛の部屋を仮想体験できるシステムなんてあるそうです。ついに時代はそんなところまで来ているようです。

どれだけのリアリティがあるかというのは、この動画を見れば一瞬で理解できると思ます。VRヘッドセットをつけてジェットコースターの映像を体験している男性が、後ろから背中を”ほんの”少し押されただけでどうなるか・・・。

 

大の大人が絶叫するほどですから、それはそれは本当に没入感が凄まじいのでしょうね。ここまでだとは思っていませんでした。ただゴーグルの中の映像を見ているわけではなくて、おそらく視差を考慮した映像を両方の目から別々にレンズを通して覗くような仕組みだと思うので、画質が上がれば本当に仮想と現実の区別がつかなくなりそうなものです。

仮想現実がここまで来たら、危険なのでは?

断っておきたいのは私自身は大のゲーム好きで、VRゲームセットも購入予定です。昔からゲームと現実の世界の区別がつかないとか、”ゲーム脳”とかいう話題にとってもイライラしていた人間です。自分たちが気に入らないものを排除したいだけだろ、とか思っていました。

そんな私ですが、VRヘッドセットについては少し別の意見も持っています。Oculus Riftではありませんが昔に別のVRヘッドセットを試したことがあって、その時の没入感はすでに凄まじいものがありました。高いところから落下するときに、男性であれば下の方で”ヒュンッ”ってなる感覚があると思うのですが、それが本当に起きます。(女性の方、ごめんなさい。)

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脳みそまで完全に騙されてしまうほどの仮想現実は、このまま進めばどうなるんでしょうか。高度に発達してしまったら、現実世界と区別がつかなくなりかねないのでは?という危険性を唱える方も出てくるでしょう。

ここ最近の、技術先行で規制が遅れてやってくる(ドローンとか3Dプリンターの銃とか)パターンに名乗りを上げるんじゃないかと思っています。

仮想現実で、人を殺したらどうなるのか。

なんていうんでしょう。FPSやってる人間は攻撃性が高くなって将来現実で人を撃ちたくなるとかいう論調を何回か聞いたことがあります。中学生ぐらいだったでしょうか。聴くたびに、”チッ、うっせーな”なんて反発していました。

FPSで人を撃つっていったって、たかが高速キーボードカタカタとマウスのクリックで”HEAD SHOT”とかそんなレベル。全く持ってリアル感もなければ、所詮離れた位置にあるスクリーンで起きる話です。さすがに現実で人を撃つのとは、全く比べ物にもなりません。ゲーム上で高所から飛び降りたって、少なくとも私は”ヒュンッ”ってなりませんし。

しかし、仮想現実ではどうでしょうか。ガンコントローラーがあり(当然反動もシミュできる)、しゃがむ、見回すなどとい動作も実際にできて、視界は完全に戦場で置き換えられています。

そこで人をバンバン打って、現実に則した反応があって、視界では人が死んでいく。前出の動画を見たらわかると思いますが、没入感は本当に半端ないです。これから味覚を除く全てに訴えかける技術がVRを合わさっていくのですから、そんな現実的な空間で人殺ししてたらさすがに”関係ない”と言い切るのは難しくなるかも知れません。すでにバイノーラル音源など”空間を演出する”音声技術もありますから、仮想空間を作り上げるのはもはや難しいことではなくなっています。

なんせ、本当に”ヒュンッ”ってなりますから。これがスクリーン上でしている時との大きな違いです。体が”これは現実”だ、と騙されているのかと思うほど。

リアルになってなんか問題?

人体が仮想空間を”現実世界だ”と騙されてしまうほどリアリティが上がったら、一つ懸念があります。それは、私たち人間が常に受けている”ストレス”の話です。

スクリーン上で撃たれたって痛くもかゆくもなければ、Escボタン押してはい次。そんな感じですが、拡張現実で撃たれたらどうなるんでしょうか。拡張現実で、目の前にナイフを持った人間が急に現れて脅してきて喉元かっ切られたら、下手をすればトラウマになる可能性もあるのではないかと考えています。

もちろんゲームの制作側だって倫理観を持ってゲームを設計していると思いますが、一方でリアリティを追求するということは、それだけ現実世界で体が無意識に受けている”ストレス”も再現しているということを私たちは理解しておく必要があります。

では、その”ストレス”が本当に起きているかどう確認するんしょう。(私はヒュンッでしか評価できません)。影響はどうやって定量化して基準を決めるんでしょう。ゲームという自由な世界で、どこまでを制限するんでしょう。実際問題、FPSとかだけじゃなくて、バーチャルセックスとかいう話も今後出てくるんです。

その技術が人体に与える影響を適切に評価して、”ここまでなら大丈夫”という明確なラインを見つけるか、最低限定義してそれを超えないようにゲーム製作者が自制しながらやっていくなら安泰でしょう。しかし、闇のゲームではないですが自由に自身の好きな映像を閲覧できるとしたら、洗脳動画だったりそういったものも流行る危険性を秘めています。

オンラインゲームとの相性は、最高(最悪)

VRヘッドセットの没入感は、それでもすべて設計された範囲内で体験する分には制限のかけようがあります。しかし、不特定多数が参加するオンラインゲームで、VRヘッドセットが利用された場合・・・非常に、非常に楽しい反面、副作用も相当なものです。

オンラインゲームをプレイしたことがある方ならわかると思いますが、特にのめりこんでいる人にとっては人生が二つあるようなものと言われます。リアルタイムでゲームが進行し、他人との行動やギルドなどといった組織が現実世界を模しているため、非常に中毒性が高いのです。

それがVRヘッドセットで、現実とそう変わらない世界で行えるとしたら・・・。本当に”二つの世界”を同時に生きる人生になりかねません。これは、全く絵空事ではありません。良いか悪いかは別の話です。そんなのは学者やコメンテーターが考えればいいんです。

私はとても危険だなと思いつつも、とても”魅力的”だなと思っています。

悪いことばかりじゃない

当たり前すぎることですが、コインの裏ばっかり見てても仕方がありません。VRヘッドセットでリアリティの高いゲームを遊べる楽しさだけでなく、例えばトラウマを負った人への心理療法や高所恐怖症の克服、高所作業やプラントオペレーションなど危険な場所での作業のシミュレーションなど医療、産業含めた様々な分野で活用の可能性があります。

VRヘッドセットはその高いリアリティのおかげで、仮想旅行などといった新しいサービスを生み出す可能性を秘めています。VRヘッドセットは副次的におそらく非常に多くのサービスを生み出すことでしょう。しかし人間の人体を騙しかねないリアル性から、人体に与える影響を適切に評価した上で、倫理観を持ってサービスを提供してほしいものです。

まとめ

ドローンや3Dプリンターなどここ数年で高度な技術が一般化しつつあります。一時期拡張現実がもてはやされた時期がありますが、結局下火のままでした。しかしVRヘッドセットは、なかなかどうしてそうはならないような”勢い”があります。

多数の分野で活用が期待され、それだけ多くの期待を背負っているのですから当たり前かも知れません。なんでも規制、規制では芸がありませんので業界内で自主ルールを持って、適切に市場に公開していってほしいものです。

それにしても、ドローン、3Dプリンター、VRヘッドセット、ビッグデータ、人工知能、IoT。インターネットも高々20〜30年程度の話だと考えると、私たちは今までの歴史の中でももっとも激動の時代を生きているのかも知れません。

どうせだったら、戦争こそ仮想現実でやればいいのに、と思う今日この頃。そんなことには、生涯ならないのでしょうけどね。

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