各国の大使館から安全に関する情報を集める重要性
筆者はかれこれ20カ国以上旅行してきましたが、必ず旅先での渡航安全情報などを確認するようにしています。
外務省の海外安全ホームページはもちろん、旅行先の大使館の安全情報も常にチェックしていました。
「たかが旅行で、そこまでしなくても」と思いたくなる気持ちも十分にわかります。読んだからといって安全というわけでも全くありません。
しかし、安全情報を見るのもたかだか10分程度です。
今回、カナダ・バンクーバーで行方不明になってしまった日本人女性については最悪の結果となってしまいました。
とても悲劇的な事件ですが、このような事件を防ぐ手立てはあったのでしょうか。
在バンクーバー日本国総領事館”安全の手引き”
では、まず在バンクーバー日本国総領事館はどのような安全情報を発信しているのでしょうか。こちらになります。
http://www.vancouver.ca.emb-japan.go.jp/documents/consular_j/safety_handbook.pdf
安全の手引というハンドブックが公開されています。
バンクーバーは比較的安全では?という漠然とした意識を、序言で既に完全に壊してくれることでしょう。
近年、海外で生活する日本人の増加に伴い、事件・事故に巻き込まれる日本人の数も増加してい ます。そうした中で、北米において比較的治安が良好であると言われる当地バンクーバーでも2009年以降銃器を使用した凶悪犯罪が高止まり傾向にあります。
どう読んでも、治安は悪そうです。
女性の場合であれば、性犯罪などについても特に読んでおくべきでしょう。日本と同じ感覚でいると非常に危険です。
上記”安全の手引”には、このような記載がありました。
日本人女性は、他国の女性に比べ、嫌なことでもはっきり「ノー」と言えない傾向があり、これ につけ込み、日本人女性を騙す者もいます。
ベテランの性犯罪ケースワーカーからは、
・ 安易に相手を信用しない
・ 自分がカナダに来た目的を常に忘れず、心に隙が生じないようにする
・ チューターやランゲージ・エクスチェンジを口実に近づいてくる男性には要注意
・ 中央図書館やスターバックス等のコーヒーショップは、邦人女性が狙われる場所として知られているので要注意
被害にあった女性も、頻繁にコーヒーショップを訪れていたとの報道もあります。
英語を学びたいという意識に漬け込むランゲージ・エクスチェンジや、人を信じる前向きさなど。
怖いぐらいに、安全の手引に記載がある通りではないでしょうか。
安全の手引は作られる理由がある
大使館だって暇ではありません。好きで作っているわけではなく、渡航者や在住者に注意喚起するためにこれらの手引を作って、公開しているのです。
尚、外務省の海外安全ホームページも似たようなページを作成しています。
* バンクーバー
旅行者や留学生を狙った置き引き等の窃盗犯罪が,空港,ホテル・ロビー,レストラン,ショッピングセンター,観光地のほか,図書館やカフェでも多発しています。また,最も多発している窃盗犯罪は,観光地等で駐車している車の窓ガラスを割り,車内から物を盗むという手口です。このため,駐車する際は,人目のある駐車場を選び,かつ車内には何も残さないようにしてください。
といった具合に。
外務省や各国の日本大使館等は多くの事件レポートやヒアリング、地元警察との連携の元このような情報を発信しているのです。それも、無料で。
日本ははっきりいってほとんどの外国よりも治安が良いです。治安が良い国であればあるほど治安が悪い国に行った際に無防備になりがち。
その国の国民性や倫理レベルなどを考慮しない行動をとったりすることもあります。(他にもunwritten rulesや文化等日本人にはわからないことだらけ)
その傾向を理解しているため、このように安全の手引が発行・公開されているわけです。
この手の安全情報を見ると、ほとんど、「日本にいるとき以上に注意」や「日本とは状況が異なる」などという文言があります。
決して北海道や沖縄に行く気持ちで海外に渡航してはいけないのです。
行き先がアメリカやイギリスみたいに先進国だから安心、というのも完全に間違っています。
世界に安全地帯などありません。「より危険なところ」しかないという意識を持つべきです。
どの国に渡航する場合でも、細心の注意を払いましょう。
まとめ
こういった各国の犯罪状況に加えて、テロなどの発生状況も外務省や大使館は発信しています。
海外旅行や留学、出張する場合は必ずこれらの情報を集める癖を付けておく必要があるでしょう。
また、渡航先でテロに巻き込まれないために外務省の安全情報ページを読むのと、この記事も合わせて読んでいただけるとより安心です。
海外旅行中のテロ事件巻き添えを防止するための自衛策 - オチェアーノ-情報の海に溺れて
最終的に自分の身は自分で守るしかありません。安全情報は命を助けますし、ネットで調べれば30分かからずに済みます。
必ず、安全情報を確認しましょう。
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