オチェアーノ - 情報の海に溺れて

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情報漏えいの事例など、情報セキュリティ意識を高めるブログ

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Shadow Brokersによるリークは、ロシアによる米大統領選干渉のカモフラージュか

以前、Shadow Brokersというハッカー集団による、Equation Groupのハッキングツール公表が行われました。

Equation Groupは世界でもっともレベルの高いハッカー集団といわれ、その実態はアメリカのNSAとも噂されています。

 

数ヶ月前に1回目のリークがあり、今月14日に2回目の公表が行われたようで、Equation Groupのハッキングツールのリークは深刻なものです。

NSAの元職員がツールをパッケージごと盗んだのではないかなどと見る動きも。

 

NSAはEquation Groupか?ハロルド・マーティン元NSA職員が公判まで拘留

 

そして、アメリカ大統領選においてロシアの関与があった可能性を指摘するニュースがいくつか報道されました。

クリントン候補が不利になるような情報漏えいを意図的に起こし、トランプ氏への追い風とした、という論調です。

 

CIAのヒラリー氏メール流出「ロシア陰謀説」をFBI、ODNI、ウィキリークス共に否定

 

結果だけ見ればロシアにとってはヒラリー氏よりも都合が良いと思われるトランプ氏が当選することとなりました。

そして単純にトランプ氏に反対するもの、ロシアの陰謀を考え選挙へ疑問を呈すもの、など様々な騒動が巻き起こりました。

 

この一見別の話に思える二つの事例が、実は同時に仕組まれたものだった可能性が指摘されています。

関係者のみ狙い撃ちにするカモフラージュ

ヒラリー氏のメール流出は今年の3月で、それから何度かネットや既存メディアで燃え上がりつつ選挙戦における関心事項であり続けました。

民主党は今年7月の段階で既にロシアによるハッキングの線を疑っていたようです。

 

このことに対して、当時トランプ候補は反発し、ロシアはもっとヒラリー候補をハッキングすべきだという過激な発言を行ったことも話題になりました。

そして「ロシア陰謀説」がメディアでも頻繁にささやかれるようになった8月に入り、Equation Groupのハッキングツールがリークされました。

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Equation Groupの実態はNSAだったとすれば(相応の根拠)、当然、FBIやNSA含むアメリカの諜報機関などはその対応に追われることでしょう。

国家のサイバー諜報活動を一手に担うNSAの基幹ハッキングツールがリークされたとあれば、安全保障上の一大事と言えるからです。

 

推測ですが、その後8月から選挙戦の終わりまでアメリカの代表的な諜報機関は、Equation Groupのハッキングツールリークの対応に追われたのではないでしょうか。

そして「ロシア陰謀説」が正しいとすれば、大統領選中での明確な関与発覚を恐れたロシアが、米当局をかく乱させるために仕掛けたリークと解釈することもできます。

 

当時、大多数のアメリカ国民にとってはよくわからないハッキングツールがどこからリークされようが知ったこっちゃない、そんなことよりアメリカ大統領選だ、となっていたはずです。

NSAはエドワード・スノーデン氏に暴露された国家諜報プログラム「PRISM」を運営していたということもあり、アメリカ国民からの信頼度も関心も地に落ちていた背景もあります。

 

「リークの意味」を理解する当局は、ロシア当局による選挙戦への関与を明確な根拠と共に国民にメディアを通じて知らしめたかったでしょうが、NSAツールの流出でそれどころではなくなった。

そして気がつけば、トランプ候補が大統領に決まっていた。そんなところではないでしょうか。

 

アメリカ世論を誘導し、その誘導に気づく関係者の動きを鈍らせるロシアの巧みな案だった・・・としたら恐ろしいものです。

今月に入ってから再度行われたリーク

さて、12月に入ってから再度、Equation Groupのハッキングツールがリークされました。

モジュール毎にお金をつけて販売しており、ハッカーに対して高レベルなハッキングツールを売りつけることで利益をあげる狙いがある・・・と思われています。

 

しかし、このモジュールの販売も利益をあげることを目標に装った、アメリカ当局や世論に対する誘導ではないかと米メディアでは指摘されています。

新年も近づき、心機一転、しかもトランプ氏の体制が始まる中選挙戦中のヒラリー氏のメール問題を追い続けられる人数がどれだけいるかは怪しいもの。

 

たとえロシアの関与を決定付ける証拠を握ったとしても、トランプ氏の体制が始まった後では非常に難しい手続きになることも予想されます。

そこでラストチャンスの年内というわけですが、その12月の早いうちにEquation Groupの追加リークを行うことによって米国側に更なる負担を与える目的があるものと想像できます。

 

また、米国民も選挙が落ち着き冷静な状態にある中で、ロシア陰謀説にスポットライトが当たり続けるのはマズかったのでしょう。その関心をそらしたい思惑が見え隠れします。

 

本当に、ロシアによる陰謀説が正しいのであれば、アメリカは一連のキャンペーンにおいてロシアに全面的にやられてしまったということになるのでしょう。

引き続き動向を見守りたいものです。 

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