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L/Rネジなど絶対に緩まないネジをまとめてみた

古くから愛用される、メンテ可能な接合方法

ネジは昔から取り外し可能な接続部分として、2000年以上も愛用されてきました。

どれだけ科学技術が進歩しても姿かたちがほとんど変わっておらず、いかに優れた発明であったかが分かります。

 

ネジ接続はボルトが締められ、トルクがかかることでネジ山の表面に高い摩擦力が発生します。

裏を返すと、何らかの理由で摩擦力が失われた瞬間に緩むという弱点を持っています。

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プラント業界などでもネジ接続といえば「緩む」前提で設計されており、有害物質を運ぶ配管ではほぼ用いられません。

重要な接合部(つまり接合が外れると悲劇的な結果をもたらす可能性がある)箇所ではなかなかネジを利用できないのです。

 

そんな中、20世紀に入ってからいくつかの「緩まない」ネジが発明されています。

中にはネジの「常識」を覆すような発明もあり、その動向が注目されます。

 

本記事では、いくつかの緩まないネジを紹介します。

 

これはネジなのか!?NejiLaw開発のL/Rネジ

NejiLaw社長の道脇裕氏は発明家として有名です。

0の0乗の証明など多数の証明や開発、発明実績を持っており、経産省などからも支援を受けるほど。

 

一方で学歴はなしという潔さで、小学生の頃にあまりにも学業のレベルが合わなかったため中退したのが理由とのことです。

異色の経歴ですね。

 

そんなベンチャー、NejiLawの代表作が「L/Rネジ」と呼ばれるものです。


L/Rネジは非常に特殊なネジで、なんとねじ山が繋がっておらず、二つの三日月状の山が絡み合うようなボルトが特徴です。

f:id:rk12liv:20160620192623p:plain

出典:「緩まない」ねじ革命 2000年の歴史、VBが変える :日本経済新聞

従来のネジはたとえ「緩まない」を標榜していても、頼みの綱は摩擦力でした。

 

しかしこのL/Rネジは摩擦力ではなく、二つのナットが相反する方向へ回転することでロックするという機構になっています。

このボルトには時計回り・反時計回り両方の山が分離して彫ってあり、回転方向の違う二つのナットを同時に装着できるようになっています。

 

その結果、振動などによりどちらかのナットが緩もうとしても、もう片方のナットが反対方向に「緩もう」とし、ぶつかってそれ以上緩まない仕組みです。

このネジの緩まなさは本物で、試験装置を壊してしまいNejiLawが一時期出禁になってしまうほどの堅牢さだそうです。

 

ネジが持つ、らせん構造と摩擦力という「常識」を根本から覆す発明で、量産されれば従来のネジに取って代わる存在となるかも知れません。

 

比較的新しい発明なので、これからの動向を注視していきたいものです。

 

町工場から生まれたハードロック工業の「絶対に緩まないネジ」

ハードロックナットと呼ばれるこのネジは既に30年以上も用いられており、スカイツリーや新幹線などでも採用されているほど。

今のところクレーム等がないといわれる高い信頼性と実績が魅力です。

 

ハードロックナットは、従来のネジの構造はそのままに、ナットに工夫をしたものです。

ナットが上下二つのパーツに別れ、それぞれ凹凸の形となっていることが特徴。

仕組みとしては、偏心したナットがボルトに対して「食い込む」ようなイメージです。

f:id:rk12liv:20160620192828p:plain出典:絶対に緩まないナットを世界に——ハードロック工業 | nippon.com

 

凸ナットの方はネジ穴の位置が少しずらしてあります。(偏心)

それに対して、凹ナットはネジ穴の位置はボルトに対して同心となっています。

 

凸ナットが偏心しているため、同心の凹ナットが凸ナットにロックした際、凸ナットがボルトに「食い込み」ます。

その食い込む力がボルトとナットの間に打ち込まれるくさびのように働き、緩まない構造を生み出しています。

 

ナットを分離させて、よりボルトに食い込むような構造を作り出したアイディアは素晴らしいものです。

実績もあり、今後も重要な接合部でも使われ続けていくことでしょう。


Nシステムに用いられるネジ、ロックン・ボルト

人気番組林先生の初耳学でも紹介されたネジがこちら。

このネジの特徴は、従来のネジの機構をそのまま利用しているところ。

 

その高い信頼性から、富士急ハイランドのジェットコースターなどの構造でも用いられているそう。

このネジの面白いところは、ボルトが二重構造となっている点です。外側と内側のネジがあるのです。

f:id:rk12liv:20160620193133p:plain

出典:絶対ゆるまないボルト Lock'n Bolt Fシリ-ズ|ロックン・ボルト

通常のボルトを締めるように外側のネジを締めたあとは、ボルトの内側のネジ穴に別のボルトを差し込みます。

そうすることで、内部の「コマ」と呼ばれる部品がせりあがることで外側のネジに内圧を発生させます。

 

結果、内圧により広がろうとした分が外側のネジのねじ山に摩擦力となって作用するのです。

機構の着眼点も素晴らしいものの、何より「ロックン・ボルト」という名前がとてもイカしてます。


まとめ

「緩まないネジ」として有名な3種、L/Rネジ、ハードロックナットそしてロックンボルトを紹介しました。

それぞれ着眼点は違い、中には従来のネジの常識を覆してしまうものもありました。

 

ネジという比較的単純な部品ですら、長年の間その姿を変えていません。

しかし発明家達が頭をひねると、あっという間に改良されました。

 

世の中にはたくさんの「当たり前の機構」が存在しますが、その当たり前は誰かが作ったものです。つまり、改善の余地があるはずです。

 

たとえば「傘」も長年の間その姿が変わっていない道具の一つです。

ここにもイノベーションの種が隠れてはいないでしょうか。

 

従来の常識を覆し、アイディア一つで世の中をよりよくしていく。


そんな力も、新発見以上に求められている力かもしれませんね。

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