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モノのインターネットは人類には1000年早い

Internet of Things (IoT)、日本語でモノのインターネット

モノのインターネットという言葉がある。細かい話抜きにして、人間がインターネットを利用して様々な分野で役立てるのと同じように、車などの“モノ”がインターネットを利用して様々な分野で役立てることだ。だから、モノのインターネットと呼ばれる。

人と人が情報をやりとり(P2P)しているのと同じ要領で、機械と機械(M2M)が情報をやりとりして、例えばより効率的な稼動パターンを見つけ出し実行することで勝手に効率が上がっていくといった効果を生み出す。

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ロックマンエグゼをプレイしたことがある方であれば、フォルテなどのナビに代表される自立型プログラムを思い浮かべてもらえばよい。

彼らは人間の意志とは関係なく(人工知能)電脳世界、ひいては現実世界の“モノ”に干渉していく。電脳世界と現実世界のリンク具合(モノのインターネット)を逆手にとって、人間に意図的に害をなすようなこともある。

人間が上限を設定できる範囲で機械同士が自立して最適化を行っていく分には構わないかも知れない。なぜなら機械が最適化できる範囲(変数)を決めるのは人間だからだ。

しかし、モノのインターネットは人工知能と合わさった時にその恐ろしさを発揮する。

モノのインターネットと人工知能で、ターミネーターの世界が現実に?

人工知能について少し考えてみよう。人工知能はその名の通り、人が持つ知能を機械で再現できるようにする技術全般を指す。

人間の脳の特徴(学習、思考、記憶、パターン認識、推定、など)をモジュール化しそれぞれをプログラミングし、それらを組み合わせることによって人間と同等以上の性能を生み出すものだ。

実際のところ人工知能はスタンドアローンのコンピューター上でシミュレートされるだけだったら全く問題がない。

たとえ人間が人工知能からの助言に従うことになったとしても、最終的な意思決定は人間によって行われるためだ。それ自体は特に問題がない。

恐ろしいのは、人工知能がその他と組み合わさったときに発揮される事象である。人間が設定したリミットを人工知能の判断で解除され、人間が意図していた以上の動作をし始めたら手に負えないことになる。

それでもまだ、パソコンの中身を破壊しコンピューターのスクリーンに“あなたには従いません”と表示されるだけならたいしたことがないと思うかも知れない。

モノのインターネットとの相乗効果が危険

だがモノのインターネットと組み合わさったとき、人工知能が何をしでかすかは予測もつかなくなる。人工知能という“モノ”がインターネット上から様々な情報をかき集め、モノのインターネットで実現されるモノがモノを制御する世界を通して人間社会にどのような影響を及ぼすかは完全に未知数である。

大げさだと思うかもしれないが、少し考えてみて欲しい。最近、スタックスネットと呼ばれる核施設の機器を破壊したコンピューターウイルスが発見されている。

更に複雑なウイルスも発見されているが、これらは現実世界に干渉しうる立派なサイバー兵器である。このようなサイバー兵器は今後ますます開発が進むことと思われる。

もし、インターネット上にちらばる情報を総括して人工知能が“人類は不要である”という判断を下したとする。

たちまち不正なプログラムがインターネット上で拡散され、企業などのシステムに侵入しインフラをダウンさせていく。同時に航空機のネットワークなどにも侵入し、主要国の航空機を墜落させていくだろう。銀行のシステムは不正に改ざんされ、多数のアカウント預金残高が0になる。軍事システムに介入され、安全装置・安全操作のためのセキュリティをバイパスしてICBMを打ち込んでしまうかも知れない。

大げさかと思うかもしれないが、実現可能性は0ではない。高度な人工知能が開発され、モノのインターネットと組み合わさったときの威力は人間では知ることができない。

もともと人間は想定外に弱いのだ。人工知能など想定外を連発することだろう。

また、今の世界情勢は(いつの時代もそうだったかも知れないが)非常に悪い。中東を中心に代理戦争ともとれる一発触発の状態が続いている。人工知能が人間社会に害を与えるとき、人工知能が十分に賢ければ人間同士を争わせるように仕向けるはずだ。

人工知能を搭載したドローンがランダムにある国の兵士を数人射殺し、インターネット上に録画した情報と共に敵国を装って挑発のメッセージを公開するだけで、緊張は極度に高まる。このような技術は完全に実現可能だ。

人工知能は賢い。暗号化技術を力技でぶち破って、WI-FIを始め世界中のネットワークに侵入することなどたやすい。世界中の人に6人を介せばたどり着けるのであれば、世界中のネットワークにたどり着くのもたやすい。

本当に人工知能やモノのインターネットは大騒ぎするほどなの?

現段階においては人工知能は“認識”や“学習”は既に人間を超えている面もあるが、“考える”“新しいものを生み出す”ことは苦手である。また、“今までになかった概念を生み出す”ことは理論上不可能かも知れない。人工知能にとって“無知の知”を扱うことは難しいからだ。

無作為にネットワークに接続し続けることはできても、まだ“モノ”を動かせるような段階ではない。モノのインターネット化が進み、兵器一つづつがネットワークで制御できるようになったら赤信号だ。

どちらかというと我々が気をつける必要があるのはモノのインターネットが進むことだ。人工知能はまだまだ発展途上だが、モノのインターネットはやろうと思えばいつでも実現できる。

特に車に迎えに来てもらうようスマホで操作するデモンストレーションなどは既に行われているのはご存知の通りだ。ボタン一つで車が自立して迎えに来ることができるのであれば、人が多い交差点に全速力で突っ込むことだってできるだろう。

モノのインターネットは単独でも危険であり、人工知能がなくても人間が代わりに悪用することができる。

人工知能についても注意深く見守っていく必要はあるが、ついつい利便性をとってしまいがちなモノのインターネットこそ、人類がもっとも気をつけるべき対象ではないかと思う。

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