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プレビシット失敗のイギリス、EU離脱をもたらす国民投票の危険性

イギリスのEU離脱は決定的

EU離脱をめぐる国民投票で、大方の予想を覆しEU離脱派が多数を占める事態となりました。

結果、イギリスはEU離脱をめぐりヨーロッパの主要国と対立の様相を見せています。

 

メディアからは、「離脱派のリーダーが嘘をついた」や「離脱派はナショナリズムに扇動された」などという声ばかり聞かれます。

離脱派を支持する意見というのは中々聞こえてきません。それどころか、投票やり直しなどという常識外れな意見もちらほら。

 

もちろん国民投票という主権者の決定による結果を、そう簡単に覆すことはありえません。

そんなことができたら民主主義が根底から覆されてしまいます。

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政治的な思惑はともかく、私達が直視すべき事実として「EU離脱派の方が多い」という客観的事実があります。

騙された、とか一時的な感情の高ぶりだ、とかそんな批判は普通の選挙に対しても当てはまります。

 

つまり言っても意味がありません。スローガンを何も実現させなかった政治家なんていくらでも居ることでしょう。

 

現に、キャメロン首相自ら再投票はありえないとしています。

 

プレビシットとはフランス語で国民投票を意味しますが、それよりもネガティブな意味を持っています。

簡単に言えば、「ほら俺が正しかっただろ?」というために民意を問うような。

 

この場合ではキャメロン首相は「EU残留すべき」理由をつらつらと述べ、残留に投票するよう国民に呼びかけていました。

そしてEU残留が決まれば、「だから俺は正しかっただろ?独立党はこれでお口チャックマンな?」と言いたかったはずです。

 

実際にはキャメロン首相がお口チャックマン・・・いや、開いた口がふさがらなかったことでしょう。

なぜEU離脱の国民投票が行われたのか

EU離脱の国民投票が行われる背景として、イギリス独立党の躍進が挙げられます。

イギリス国民も、主に「移民」と「緊縮財政」の2点でヨーロッパに属するメリットよりデメリットの方が大きいと感じるようになっていたのです。

 

難民ではなく移民であり、ポーランド人など最近EUに加盟した国々からの移民を指しています。

それらの移民がかつてない量で増えたことで、雇用の機会を奪われることを恐れたのです。

 

また、ギリシャやスペインの金融危機が発端となり、ヨーロッパの信用が損なわれることとなりました。

その結果、イギリスも緊縮財政の流れに逆らえず、公的予算の削減などイギリス国民の身を切ることとなります。

 

その結果、キャメロン首相に圧力が高まりました。そこで、選挙の公約としてEU離脱に関する国民投票を挙げてしまいました。

 

その投票の結果は、皆が知るとおりです。

大衆に国の運命を左右する判断を任せることの危険性

イギリスではEU離脱が決定的となった後、「EUとは?」や「EU離脱 意味」などといった検索ワードが急上昇したことでも話題になりました。

そんなことも知らずに投票したんかいな、と突っ込みをいれたくなる人もいることでしょう。

 

普段から各種政策に携わっている議員と違って、国民投票は一定の条件を満たせば誰でも投票できてしまいます。

しかし議員と国民とでは、持っている知識・情報の差は圧倒的です。

 

一般的な話をするのであれば、当然議員の方がより「正しく」「広く」「客観的な」情報を持っています。

そうでなければ政治判断など下せません。

 

しかし、それらの情報を持たない国民に、「EU離脱するかどうか」などという投票をかけることは無謀といえるでしょう。

EU離脱の背景、意味、なぜ離脱するのか、今享受しているメリット、負担しているデメリット、離脱したらどうなるのか。

 

この程度のことすら知らずに投票する国民もいることでしょう。

一時の感情に動かされて。

 

国民投票は、国民の信を問う、なんて格好良いものではありません。

扇動ゲーです。喝を入れるために離脱派に入れたとか、呆れる他ありません。

間接民主制と相反する国民投票

国民投票は直接民主制であり、市民の声や利害関係を直接反映してしまいます。

一方で主流である間接民主制は、市民の中から代表者を選び、その代表者に合理的な判断を求める方式。

 

そうすることで、一時的な感情の高ぶりであったり、国民を騙すような情報と政治判断を切り分けられるのです。

 

普段から間接民主制で様々な政治判断が決められる中、政治家は不利に陥ると「国民の信を問う」ようになります。

そして、敵対する代表者に「俺のバックには国民の賛同がある」と主張するわけです。

 

そのような一種の「言い訳作り」に用いられている面があるのは否定できません。

普段は間接民主制でありながら、不利に陥ると直接民主制の制度を持ち出す。筋が通っていないのでは?


まとめ

「イギリス、EU離脱か否か」という議題は国民の直接的な判断に任せるにはあまりにも荷が重すぎたと言えるでしょう。

ある程度論理的に考えられる場合人間は考えますが、手に負えない場合は感覚的・感情的な判断にすがるのが人間の習性です。

 

それを是正するために生まれた間接民主制のはずが、国民投票を持ち出してしまっては元も子もありません。

完全に、キャメロン首相の失敗といえるでしょう。

 

一方で、EU離脱を投票した半数以上の国民が望んだことも事実。これは重く受け止め、尊重すべきです。

イギリスなきEUは、今後どのようになっていくのでしょうね。

 

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