オチェアーノ - 情報の海に溺れて

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情報漏えいの事例など、情報セキュリティ意識を高めるブログ

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顔認識技術におけるプライバシー問題。FindFaceなど機械学習を通じて過去のAV出演歴などすべてバレる可能性

恐るべき顔認識技術とプライバシー問題

今から5、6年前だったでしょうか。iPhoneを初めて手にして、カメラに映る自分の周りに黄色い枠が出現していることに気づきました。自分が動くと追随するその黄色い枠は、”あなたの顔はここだよ”と教えてくれていました。

その時は”リアルタイムでこんなことができるのか!”と無知もあり驚いてしまっていました。

時が経ち、現在では顔認識技術と呼ばれる非常に高度なシステムが発達したようです。社内食堂で顔認識技術を利用して決済を行ったり、セキュリティシステムに利用されたりと様々な分野で普及しているのをひしひしと感じます。

人間の脳みそから、データベースへ

人間一人が覚えられる顔の数なんてたかが知れています。500人覚えている人なんてかなり少ない方でしょう。しかも、”顔を覚えている”といってもほとんどの場合はその人物の顔を特徴付けるパーツをいくつか抽出・記号化して暗記しているだけです。

もっといえば、その500人のプロフィールや経歴を覚えている人なんて皆無です。

 

しかし、顔認識技術・インターネット・ビッグデータ解析(機械学習)が重なると、ビッグブラザーが完成する恐れがあります。つまりは、認識した顔をインターネット上の全情報と照らし合わせて高い確率で該当する写真を見つけ出し、その写真に紐づけられた情報をずるっと掘り出せるのです。

インターネットはもはや単なる情報共有の手段ではなく、人類の文化活動の履歴としての体を為しつつあります。SNSや企業、サークル、団体、色々なところに散らばる個人情報はあっという間にビッグデータ解析により紐づけられ、”名前”や”顔”をキーにして検索できるようになるでしょう。

プライバシーの大侵害。忘れられる権利などない

今では、SNSを利用していない人の方が少ないと言われるほどSNS全盛期です。人々は自分のプライベートに関する情報を知ってか、知らずにか、いずれにせよインターネットにどんどん公開していきます。

そしてたとえSNSを利用していなかったとしても、周りの友人であったり所属する企業・団体や大学(論文等)を通してその人間に関するデータは集積できるものです。

もちろん、ネットに一切の情報を投稿していない、他人に投稿させていない/ぼっちなら話は別です。ぼっち最強説ここに極まれり。

 

顔の写真さえとってしまえれば、それをFindFaceなどといった誰でも利用できる顔認識技術サービスを利用してその人についてのプロフィールや経歴などを追うことができます。

拡張現実機器などを併用すれば、”そこに歩いているやつは東大生だ。尚彼女はいない模様”とか”あそこの綺麗な女性はこの映画にエキストラで出演している”などと道行く人々について瞬時に情報が見えるようになる仕組みすら構築できます。スカウターみたい。

 

そうした仕組みは、当然のことながら悪用されます。

 

AV出演履歴や、ホステス勤務。過去の犯罪歴や美容整形まで?

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今やAVはネット上あちこちに違法に転がっています。そしてそれらの動画のスクリーンショットや所属事務所のプロフィールページの写真などを利用して、顔認識技術サービスを使えばAVに出演した可能性があるかどうか、などという情報もわかります。

AVだけではなく、ホステス勤務であったり、ガールズバーやホストであったり、なんでもありえます。そうした夜の世界の情報が街をゆく一般人に紐づけられるようになると、さすがに困る人だって出てくるでしょう。

下手すれば、テレビなどで報道された犯罪者の顔との照合すらできるかもしれません。罪を償って出所しても、普通であれば忘れられているであろう顔もこうしたサービスのせいでインターネット上に永遠に残り続けます。

そのうち、”整形したかどうかがわかるサービス”なんていうものも出てくるんでしょうね。現段階ですでにできていることを考えれば、まったくもって不可能ではないですから。

運用次第で毒にも薬にもなる

すでに犯罪捜査などで用いられている他、身元詐称などに対する強力な一手ともなりうるのが顔認識技術です。これらなくして人探しは非常に厳しいでしょう。

また、蒸発してしまった、行方不明、などといった場合にもこういった技術があれば手がかりを得る助けにもなるかもしれません。頭ごなしに顔認識技術を否定する段階ではないかなと思います。

 

他にも広告技術などにも応用されています。広告板に仕込まれた小さなカメラから映像に映る人物の性別・年齢を推定してそれに合わせた広告を表示させる、などといった取り組みも行われているようです。気持ちの良いものではありませんが、すでにそういう運用も行われています。

顔認識技術のこれからの展望

ここ数年で急速に発達してきた、機械学習、パターン認識、データベースの効率的な運用、記憶装置の大容量化、カメラの小型化、監視カメラのネットワーク化。そしてそれらをまとめあげるIoT技術によって、ビッグブラザーが現実のものになりつつあります。

今はまだこれらの情報は断片的にしか繋がっていない上にまだ一般の人々が簡単にアクセスできるような技術ではないものもあります。しかし、これらがパッケージ化され、誰でも利用できるような技術になったらそれはそれは恐ろしいほどの監視社会が始まるでしょう。

 

今はまだネットにちらばる情報を集めて顔写真と紐付ける(それでも十分すぎるほど怖いのも事実ですが)、そのうちIoTによって集められた現実世界での個人にまつわる情報がデータベース化されたらどうなるか・・・。

この人はいつもこの時間帯に通勤、帰宅はこの時間帯、よく利用するコンビニはここ、よく利用するレストランはここなどといった情報がすべて蓄積され始めたとして。

インターネット上に公開されるプロフィール情報と合わされば、任意人物に関する情報が誰でもすぐにアクセスできるようになってしまう。

どちらかといえば、おそらく悪い方向(犯罪・監視)に利用されるのは目に見えています。

 

顔認識技術、どうするのが良いんだろう?

非常に個人的な意見ですが、顔認識技術は一般化すべきではないと考えます。また、警察などの公的機関による限定的な利用だったとしてもこれ以上高度になるべきではないとも考えています。

なぜなら、もはや人権を侵害しかねないレベルの情報が人の顔と結びつけられているからです。何も悪いことしていなければ問題ない、などという話ではありません。

非常に悪質なプライバシー侵害にも繋がりかねません。それも本人が意識していないところから情報を収集されていたらなおさらです。

 

アメリカのNSAが行っていた国家監視プログラムNSAなども結局似たような話で、国民からの総反発を食らいました。

できるからといってやりたい放題していいわけではありません。テクノロジーの進化にブレーキをかけることも重要です。例えばクローン技術のように。

個人としての対策は?

このこと自体は何年も前から言われていますが、とにかくSNSに顔写真などを載せないこと。プライベートな写真を載せるのをやめて、SNSを常にチェックするのもやめましょう。

なぜならたとえ投稿していなくても、SNSに”オンラインであった”時間を解析し、ある人のネット利用の時間割を作ることに成功している例がすでにあるからです。いつ寝ているかまでわかっちゃう。

 

プロフィール写真はできるだけ個人を特定しにくいものにしておく、複数人物が映っているものにする、などとして最大限の注意を払いましょう。公開設定はもちろんのこと、多投稿なども避けたほうが良いでしょう。

 

どこまでいっても個人の責任ですから、押し付けはしませんが・・・。

 

まとめ

・顔認識技術サービスの一般公開は危険性をはらんでいる。

・とにかくネットにプライベートな情報を晒さないこと。

 

ネット利用の際には気をつけていきたいものです。ほんと、恐ろしい世の中になったものです・・・。

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