オチェアーノ - 情報の海に溺れて

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情報漏えいの事例など、情報セキュリティ意識を高めるブログ

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なぜAppleはFBIの要請するiPhoneのロック解除に応じられないのか?

FBI「俺らは悪くない早くロック解除しろ」Apple「だが断る」

Appleに対してFBIが「テロリストの情報取らなきゃいけねーからロック解除しろ」と裁判に持ち込んでいた件に一段落つきました。その結果はといえば、ニューヨーク州判事が”FBIが根拠とする裁判所指令”を元にAppleへ開示請求を行うのは妥当でないとし、FBIに敗北を突きつけた形となったのです。当然FBIは激おこプンプン丸で上告しています。

 

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正直穴だらけなんじゃ?と思うようなiPhoneのロック画面ですが、一連の騒ぎを通じてFBIでもバイパスできないぐらいにはセキュリティ性が高いということが明らかになりました。まぁ、マカフィー創始者が”俺なら2週間で突破できるわ”などと挑戦状を叩き付けたりしていますが。70歳のおじいちゃんでも2週間で突破できるものなんですかね。

AppleはiPhoneのセキュリティにはひと際力を入れているようで、現状でも既に高いセキュリティレベルを”ハッキング不可能”という次のレベルまで持ち上げる計画があるそうで、専門家達はAppleはそれを確実に成し遂げるだろうと見ています。FBIの面子丸つぶれですね。

それにしても、なぜAppleは頑なにFBIの要請を断ってしまうのでしょうか。別に凶悪犯罪の犯人逮捕に繋がるかも知れないのであれば良いのでは?と素人考えでは思ってしまいます。しかし、Appleにはもはやその理由だけではロック解除に応じられない大変な理由があるのです。

Apple「お客様のセキュリティが最優先」

Appleは名実共に世界最大企業といって差し支えないほど巨大です。当然、顧客レンジも巨大です。超巨大です。それだけ多くのお客様を相手にしているので、お客様の不都合になるようなことは一切できないわけです。

もしFBIがロック解除を求めそれにすぐ応じてしまったら、セキュリティを非常に気にする人は"Appleは別の政府系機関の言いなりか。Blackberryを使おう"などと思いかねないし、企業の独立性が損なわれます。

ただでさえNSAの行っていた全人類管理プログラムPRISMに加担していたなどと噂されているのもAppleにとっては大ダメージなんです。”うちのセキュリティは頑丈で不可侵ですよ”とアピールするのはともかく、”FBIに情報求められたんであげました”なんて口が裂けても言えないんです。

Apple「お客様の情報を集めていませんよ。お客様が管理するんです」

AppleはiPhoneから情報漏えいはしない、iOSの安全神話を全力で守りきっています。Appleは一時期位置情報サービスなど顧客情報を集めているのではないか?と話題になり、NSAの国家監視プログラムなどへの加担が疑われることもあります。

しかしAppleは透明性レポートなどと呼ばれる書類で、大掛かりな情報提供や収集活動も行っていないと強く証明しているのです。もちろん連邦政府の要求もケースによっては情報提供を行ったことも否定はしていないのですが、数は非常に少ないとしています。しかも、ロック解除というプログラムセキュリティの基幹となる部分は聖域として守っているのです。

Apple自身でもiPhoneがロックされてしまうとどうにもならないんですよ、という姿勢を明確にすることによってお客様に安全性をアピールしているんですね。

Apple「1回認めたら、その他大量の要求にも応じなきゃいけなくなる」

もしAppleが一回ロック解除を認めたらどうなるか。既に他にも複数申請があったとされていますが、前例を作ったが最後”あの時やってくれたよね(ニッコリ)”って言ってFBIやらCIAやらNSAやらMI6やらありとあらゆる諜報機関とかそういう奴らがAppleにたかり始めるんです。”ロック解除しろよ”って。

そんなカスタマーサポートは用意していないし、対応するのだってお金かかるし、どのくらい要求がふくれあがるかなんて予測できないしでAppleとしても非常に対応に困ってしまうわけです。

相手は国家という権力を背景にやりたい放題なので、付け込まれる隙を最小限にとどめておこうというAppleのせめてもの抵抗なのです。

シリコンバレーでわき上がるエドワード・スノーデン氏への敬服

エドワード・スノーデン氏は自分の年収数千万と家族と快適な暮らしと楽な仕事を捨てて命をかけてアメリカの国家的監視プログラムを暴きました。それを受けて例えばYahooなどでは暗号化していなかったメールをすぐに暗号化し、Googleなど他のテック企業も今まであえて残していた脆弱性(そしてそれは政府等に悪用されていた)を潰し、”セキュリティ第一”と声高に掲げるようになりました。

そうしたシリコンバレーに位置するテック企業のセキュリティへの機運の高まりにAppleは乗じているのです。俺たちは政府の言いなりになって情報は垂れながさねぇぞ、と。FBIがAppleにいくらiPhoneのバックドア作れって強制しても、もはやAppleは敵対心むき出しです。

Appleは今まで政府が行ってきていた監視プログラムをある意味逆手に取って、”うちらは道理に反することやりませんよ”とはねのけています。ただ、NSAのPRISM暴露時にはあれだけ色めき立ったアメリカ世論も、ロック解除の話となるとそこまで興味がないようですがね。

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